11月30日

11月も今日で終わり。なのに、こんなに暖かくていいのだろうか。地球温暖化だからこんなもんだとおもわないのは、数ヶ月後には反動でもっと寒くなっているのではないかとおもっていること、実は地球温暖化というより寒冷地化していると見た方が正しいという話を聞いたからに他ならない。

 

目の前のできごとは、後に起こった出来事によって意味をなす(それが、更新されていく)のがヒトなのだと、キエラン・イーガン『想像力を触発する教育』にある。「結論を言えば、人生に起きる出来事についてわれわれの感情はいつでも暫定的なものである。絶えず起きてくる新しい出来事が、過去の出来事に影響を及ぼし新しい解釈を与え、過去の出来事に関しての感情を変えていく。物語には終わりがあるので、物語によってのみわれわれは出来事に対してどのように感情を抱くべきかをはっきりと知る。この終わりの感覚が出来事に意味を与える。」だから物語は有効なのだ。

 

仕事中に師匠がぼそっと、「どんなときでも考えながらせなあかん。そうじゃないと割りに合わん。」と言った。目的はなにか、どこまでやるのか、それはなぜか、順番はどうか、もっといい方法はないか、流れの悪いところはないかを、あらゆる状況で、上記の型をくるくる回して当てはめていく。これは生まれ持ったものではなく、仕事を意識的にしてきた末の思考の流れであって、これを真似ぶことが仕事を覚えることなのだと自覚してから、数年経つ。仕事はいささか編集的だ。

 

無意識な時間を減らし、意識を方法に昇華させることが、それを神が宿るほど細かいところまで突き詰めていくことが、あらゆる仕事の極意なのだろう。そんなことをおもった、暖かい霜月。明日から師走。いまも日常は楽しく忙しい。