12月7日(火)

もちろん、個人的な趣味嗜好はあって当然なのだけど、それとは別次元で平行に走っている個人的を超越した種としての族としての趣味嗜好があるとおもっている。師匠はそれを、「歴史的教養に裏打ちされた俯瞰的理解の上に成り立つ感性」と言った。

あらゆる問いに対して、「それはそれぞれの好みの問題だ」と返答する人との会話に辟易するのは、ひとつは、それぞれの話が別の机の上でなされていて、たいてい、相手が個人的な趣味嗜好の話をするからなのだろう。もうひとつは、ロジカルに物事を説明しているようで、単なる数字合わせが得意なだけなのだから、そんな人とは、「気をつけてお付き合いしましょう」との師匠の弁を支持する。

教養とは、歴史に根ざした文化の理解だ、と。教養とは、リベラルアーツだ、と。人は教養で人を見極めます、と。教養は、学歴関係なく、努力で誰でも手に入れることができる、と。本は、自分で読まなければ、読んだことにならず、その積み重ねが教養なのだ、と。一冊でも多く本を読みましょう、と。