目にはさやかに見えねども
23時20分。夜を照らす雷が鳴く。部屋の明かりが数秒消える。季節の変わり目には、たいてい雷が鳴る。大雨は、これまでの季節を流して、空白を生む。その空白に次の季節がやってくる。ずいぶん前に過ぎた立夏を忘れていた。夜の音連れが、夏を予期させる。松…
ニイニイゼミが「ジーーー」っと鳴いている朝に、夏らしさがある。石川竜一の写真集『okinawan portraits』で現像された写真の被写体の濃淡に、そこにあるのにないものとして見ている「わたし」の感覚を憂う。仕事の休憩中に車のFMラジオから流れたサンタナ…
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