7月21日

23時20分。夜を照らす雷が鳴く。部屋の明かりが数秒消える。季節の変わり目には、たいてい雷が鳴る。大雨は、これまでの季節を流して、空白を生む。その空白に次の季節がやってくる。ずいぶん前に過ぎた立夏を忘れていた。夜の音連れが、夏を予期させる。松岡正剛『心とトラウマ』を読みながら、2020年の特異な夏を、すこし明けた窓から、止まぬ雨と雷に耳を傾け、眺めている。