7月8日

梅雨明けの蒸し暑い夜は、京都に住んでいた頃のある夜を思い出させる、友達が働く木屋町のバーへ仕事帰りに立ち寄った。狭い階段を上がった2階にある薄暗いカウンターのディランという名を含むバーだった。そのころ面白い人の集まる場所に行けば、面白いことが起こるとおもって、おもしろそうなひとが集まっている場所に足を運んでいた。そんなわけないのに。案の定、そのバーでは何も起こらなかった。

結局のところ、誰かにあるいは、場所に何かを期待していても何も起こらない。自分で動きはじめなければ面白いことは起こらない。面白いことを起こすには、ひとりで考え、アホなことを勝手にやりはじめることだけだ。アホなことをやっているうちに、おなじようなアホなひとが見つけ出してくれる。


本日、祖父の七回忌だった。祖父や曽祖父の知らなかった話を彼らの死後に聞く機会が多い。ぼくたちは遺伝子を残すとともに、ミームも残している。いまになって、祖父はなんでもできる(あらゆる道理や仕組みを理解していた)スーパーじいさんだったのではないかと、線香の匂い、木魚と鉦鋙と路念仏の音、念仏のリズムを聴きながら、祖父の記憶を思い起こす。