11月28日

音楽を作ることは特別なことだったのかもしれない。楽器を持っていて、それを使える技術を習得しなければいけなかった。それをいまはコンピューターが担っている。アプリを起動させれば、ギターを弾かなくても音楽を作ることができる。ということは、誰だって簡単に音楽を作れる時代だということになる。では、そんな時代、フラット化した世界で大事なのはなんだろうか。まず第一に、このことを知っていること、それから、やはりアイデア。音楽を作るのに、演奏というハードルが低くなったのは非常に大きい。ということを、遊びって大事だなという会話をしながらおもう。

 

買ったきり読んでいなかった辻まこと『遊ぼうよ』を少し読む。「一体遊びというものはガキと芸術家と称する未開人のもので、精神の行止った仕事をもつ大人の世界にはないものである。しかしながら、遊びの歴史は仕事の歴史よりはずっと古く、古代人は遊びながら生きていたから進歩して現代人になれたのであるが、現代人は仕事をしながら生きているものだから行止って一向に未来はないのである。仕事とは目的をもった行為でその人生は目的の犠牲にほかならない誠に崇高ともなんともいいようのない立派な死であるが、遊びとは行為それ自身が目的であるからハナハダスポーティで生き生きとしているにである。」