11月27日

今月のコーヒーは、エルインフェルトのゲイシャ。コーヒーを豆で買いはじめて数年が経つ。さいしょはいろいろさっぱりだったけれど、コーヒー屋のおじさんにいろんな豆を勧められるまま飲むうちに、ぼくのコーヒー舌はけっこう肥えたみたいだ。

 

コーヒーは栽培される場所が限られていて、赤道直下の南北回帰線の間だといわれている。おいしいコーヒーはだいたい決まっていて、なぜかというと、野菜のおいしさは、気候や日当たりや土など環境に起因するから。特に土。どの畑でいいコーヒー豆が取れるのかみんな知っている。だから、特定の国の特定の農園の特定の畑のコーヒー豆を購入するのがいまの大きな流れ。「エルインフェルト」「イルガチェフェ」「エスメラルダ」「ダーテラ」と名のつくコーヒーは間違いなくおいしい。

 

さて、通勤の30分は音楽を口ずさんでいる。ふと、ぼくはどんな音楽を聴いているのか考えてみた。最新音楽ランキングを追いかけなくなって、ドラマのタイアップの音楽を追いかけなくなって、CMソングを追いかけなくなって、特定のアーティストの 新譜を追いかけなくなって、ひさしい。

 

ぼくはコーヒー同様、とにかくいろんな音楽を試して聴いている。基準は聴いていて気持ちいいかどうかだけ。新しい音楽を聴いている。新しいというのは、最近リリースされたということではなく、ぼくがまだ聴いたことがないということ。Bob DylanのRolling Thundar Reviewも、YMOのfirecrackerも、水曜日のカンパネラも、Nina Kravitzも、Tom Waitsのclosing timeも、喜納昌吉&チャンプルーズも、レッチリも、ジョニ・ミッチェルも、高田渡も、Sly and the family stoneも、Soom Tも、ぼくにとって新しい曲なのだ。

 

最近ずっとおもっているのだけれど、ぼくは新しいものを発見するより、すでにあるものの違った見方を見つけるほうが好きだ。そのスタート地点は、誰もがやっていないことをやること、ジャンルや当たり前を飛び越えること。コーヒーも、音楽も見方が変わったのは、いろいろ試してみようとおもったからで、さらにすこし先に行くには、コーヒー農園を訪れたり、音楽を自分で作ることなのだろう。もうすこししたら、音楽をやってみようとおもう。

 

#nowplaying : Devendra Banhart / Baby