10月9日

仕事から帰宅して、裏の畑に向かう。土の水分を確認して、水をやる。先日、家の畑を借りて、家庭菜園をはじめた。播いたのは、ホワイトクローバーの種。種をまくと、芽がでるのが楽しみになる。だから毎日畑に出向く。昨今は、即興の娯楽が溢れているが、待つ楽しみも悪くない。それから部屋に戻るとちょうど太陽が沈む。しばらく暮れていく空を眺める。秋の空はなぜあんなに綺麗なのだろうか。

 

そうそう。いろいろ考え事をしていたんだった。小さい頃に、家の奥にある暗い仏間が怖かった。雷の音に怯えていた。はじめて森にはいったときも怖いとおもった。ということを思い出す。そこにはなにもない。なにもないから、なにかがあるかもしれないとおもう。なにかがあるかもしれないとおもったのは、雷の音だったり、突然吹く生ぬるい風だったり、空気の温度の変化などのきっかけがあったからだ。ということは、「ない」からこそ想像力が働く。目をこらさないと、意識しないと見えない、ものすごく速いきっかけをじっくりと味わいたい。その変化の瞬間を。いまは秋だけど、冬はすぐにやって来る。気づかぬ間に。

 

Shining bird / Distant dreaming