7月5日

◆ひと月ほど青空のことをわすれていた。雲が広がる、風のない、じめっとした朝だった。

ポッドキャスト「働くことの人類学」をずっと聞いている。ポッドキャストって、運転しながら聴くのにぴったりだ。「ながら」で聴きたいからって、洗い物をしながらだったら水の音で聞こえにくいし、メールを読みながらだったらうまく耳に入ってこない。

◆昨日からずっと聞いていると、働くを現代的に解釈するとき、わかりやすいことしか表面にあらわれない。けれど、働くってことは、表面化しないことや見えづらいことも含んでいる。ちょうどアナログレコードとデジタル音源に似ている。アナログをデジタルに変換すると、余計な情報は捨てられてしまうが、実は捨てられた情報に大事なエッセンスが詰まっている。精米した後の糠のようでもある。

◆働くことを起点に生活のことなどいろいろな人間の活動のいろいろなことに考えを広げたとき、気付かぬ間に、それらを測る尺度が、「効率」「お金」「経済」のみになってしまっている。もちろん、お金は重要なのはわかっているつもりだけれど、「お代は結構です」なんて、人肌脱ぐ仕事だってあってもいい。