2月11日

19時ごろ、母が帰ってきた。親父が国営放送を見て、それと同じ内容を連呼した。五輪組織委員会会長が辞任するってよ、そのあとの後任誰やと思う?、と。

 

テレビはある言動の背景を見えないようにしている、教育はある言動の背景の見方を教えないようにしている。現状、ほとんどの大人と呼ばれるひとたちはできごとの「図」しか見えない。なぜその言動が会長を辞するほどの威力を持っているのか。それは、「地」をわかろうとしなければ見えてこない。が、しかし、「できごと」に地と図があるなんて習ったことがないんだから見えるわけがない。

 

この国において、「地」を見るための方法を手に入れるには、1)たくさんの本を読む、2)師匠を持つ、くらいしかない。そのどちらも、自力で時間をかけてしか手に入れることができない。家で寝転がってテレビを見ているだけの大人は、パンとサーカスを与えられた大衆にほかならない。