11月7日


朝、起き抜けに、母が来週末兄貴が帰ってくるといった。続いて、また転職したと。

生きいれば何でもいいんじゃないか、とおもう。もちろん良識を持った上で。その上で、楽しかったらなおよい。終身雇用だろうが、ひとつの会社で勤め上げようが、自営業であろうが、形はなんでもいい。雇用形態が生死を分けるわけではない。

ついで、わたし楽しくないわ、と定年前のおかん。そりゃ、楽しさを外部に求めてたら、だれだってなあ、楽しくないわな。

「わたし」について考えてこなかったつけは、いつか払わなければならない。時間があるうちに、できれば人の話が聞こえる若いうちに、旅に出たい、インナートリップも含めて。

9時頃、コーヒーを淹れ、食材を買いに、車で野菜直売所へ。葉付き人参、納豆、小松菜、百花蜂蜜、キャベツを買う。2件目は、山上の道の駅で番茶を仕入れに。酒粕もゲット。ここまできたら、湧き水も汲んで帰る。雲立ちこめる山の、雲の切れ間の紅葉。もうすぐ雨が降る。

正午過ぎに家に着く。昼食を終えた父は、座椅子にもたれて横になり、テレビのリモコンを手に握り、ワイドショーを見て、突っ込みつつ、母に自慢げに解説している。というより同じことを繰り返し言っているだけ。Viva パンとサーカス。親世代のほとんどがこういう生活を数十年続けてきたとしたら、そりゃ社会は没落、子どもは落胆するよ。翻って、彼らは「わたし」の反面教師となった。

車は思考の発電所だ。

相変わらず、お金が貯まらないが不安ではない。けれど、ちょっとしたお金が必要なので倹約しながら、「つくる」をはじめる。贅沢はモノを買うのではなく、時間をかけることなのだと、坂口恭平さん。

昨日届いた『掃除婦のための手引書』を開けて見返しを見る。著者は存命中には有名にならなかったが、しかし、レイモンド・カーヴァーに影響を与えたとあり、合点承知の助。カーヴァーの師匠!どおりの読後感、あの味わいがたまらんす。