11月4日


もともと決められた目標に向かって、数字を合わせるお堅い仕事。おうえに文句を言われないかどうか。目標の根拠は想像。目標の達成がなそうとすることを目指さず、あくまでも目標の数字に合わせる。プライドの高さや怒られることへの不安が邪魔をする世の中。ブルシットジョブ。

対して、その仕事をこなすのが、その目標のなそうとすることへ向かう連中。世は超個。墨子的、ゾミア的世界観が心地よく、よろしい。


アメリカ大統領選挙、開票中。激戦のもよう。

ひとつにまとまっていた(ようにみえた)国家は分断しているように見え、分断化されていた慣習や価値観は一体化しようとしている。その中で民は揺れ、良識か常識かの、二分化に向かっている。良識な市民の手によって生活様式のハード面が整えられ、否応無くそれに対応することで一般民衆のソフト面が変化する。ジェンダーや民族などのさまざまなジャンル分けがもっとやわらかくなり、しなやかな倫理になることを期待する。大切なのはお金では手に入らない教養と若いリーダシップ。

夜、居間にて、食事を終えた父がこたつに入って大音量のテレビで国営放送を見ている。時々テレビから聞こえるニュースをしゃべり声の大きさで連呼している。拡声器である。誰も聞いてないし、不勉強を露わにしている。翌日、職場やクラスで同じ話題を喋るために見るテレビなんてブルシット。

台所で、グッドミュージックを流しながら、晩御飯の用意をしていると、隣の居間から爆音でテレビを見ている父が、音が大きいとクレーム。一言申し上げようと思ったが、何回言っても人の話を聞こうとしない、OSをアップデートしない人になにを言っても糠に釘なのでやめておいて、そっと戸を閉め、グッドミュージックのボリュームをそっとあげた。ブルシット。近代教育の最高傑作。ブルシット。学校卒業以降、仕事で必須の専門的な勉強以外の勉強をしないで、休みの日にはゴロンと寝ころんでテレビを見て40年過ごしてきたあなたよ。ブルシット

夜、料理の先生の有元葉子さんの『レシピを見ないで作れるようになりましょう』を読みながら、鹿肉ミンチの野菜炒めを作る。うまい。カリッと炒めた鹿肉。焦がし醤油。しんなりキャベツ。もうすこし野菜の炒め時間は少なくてよい。

熊本の西田果樹園から届いた満月に収穫したレモンが届いて、どうしようか考えている。レモンシロップとジャムだな。週末は百花蜂蜜を仕入れにいこう。有機で、無農薬はもう当たり前、いつ収穫するのかが大事です。

Kindleの立ち読みで、ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』を読む。コインランドリーの記憶が淡々と蘇ってくる。村上春樹翻訳のレイモンド・カーヴァー『大聖堂』の「ささやかだけれど、役にたつこと」に似た読後感を味わう。この味わいがたまらん。さっそくメルカリで購入。ついで、翻訳者の岸本佐知子さんも気になったので、『気になる部分 』をバリューブックスで購入。

バリューブックスといえば、長野の上田にある好きなカフェ書店ネイボを経営していた。2019年9月で閉店したネイボが、「本屋未満」と屋号を変えて復活したようだ。
行かなくては。今冬の予定はほぼ決まったな。上田が好きなんだよな。ネイボの選書、ルヴァンのあんぱん、ベンガルの緊張感、からあげセンターの山賊焼、駅前の馬肉うどん屋別所温泉の硫黄臭さ。

Spotifyのシャッフルで流れてきたラッキーオールドサンを聴きながら、歯磨きをし、米を炊いて、ストレッチをして、枇杷茶を淹れてほっとする。ときにカンツリーミュージックやフォークデュオを身体が強く求める。ノラ・ジョーンズのThe Little Willies、ボブ・ディランのRolling Thundar Review、ハンバートハンバートなど。ラッキーオールドサン、wikipediaによると久保田麻琴のアルバムに収録されていたThe Lucky Old Sunから名付けたようだ。最高。

寝る前に、鈴木大拙『禅』を読む。