6月6日

6月いっぱいは忙しい日々が続く。忙しいのは仕事ではなく、仕事後で、ほぼ毎日2時前に寝6時30分に起きる生活リズム。習得したいこと、楽しいことをやっているのだから、うれしいわけなのだけど、できることなら、Eight Days A Weekになってほしい。

久しぶりに時間ができたから、いつものコーヒー屋に行って、おっちゃんに勧められた豆を買う。パナマのベルリナ農園のゲイシャと東ティモールのマウベシ・ピーベリー。オーダーしてから焙煎がはじまる。コーヒー豆が出来あがるまであいだ、スーパーで食材を買う。別段特別なことはない、いつもどおり一週間分の食材を仕入れる。ここでは、鶏モモ肉、豚細切れ、プレーンヨーグルト、トマト、ほうれん草。ほかの野菜は直売所で買いたいから、これでスーパーでの買い物を終えて、コーヒー豆を受け取りに行く。「わざわざ遠いところから、いつもありがとう」と、テイクアウトのコーヒーを淹れてくれた。

車を走らせて、マイドライブコースを北へ走る。少し横道にそれて、前々から気になっていた地域をゆっくり、Fat girl slimを聴きながら走る。道沿いの野菜直売所へ入ってみる。ゆったりとした空気の流れるトタン屋根の直売所に、その日に採れる分の、旬の有機栽培の野菜が膝ぐらいの高さの机に平置きで並べられている。野菜の種類も量もそれほど多くない。晴れているのに屋根から水がポタポタ落ちていた。暑いから屋根に井戸水をかけてるんや、とおばちゃんと喋りながら、会計を済ます。そやそや、このにんにく食べてみて、と、会計を済ませ手に持っていたレジ袋に売り物のにんにくを入れてくれた。

峠を越えて川の上流に沿って蛇行する道を走りながら帰路を走る。窓を開けて走るのがちょうどいい。気持ちがよかったのは、気候のせいだけではない。コーヒー屋のおっちゃんや直売所のおばちゃんのおかげだ。この「おかげ」が、コロナウイルス以前からあった現代の社会の問題点に対抗するモデルのひとつだとおもう。この「おかげ」は、無駄のない貨幣経済ちょろっと引っ付いてくる尾ひれである。共同幻想によって完全無欠だとおもっていたシステムを利用しつつ、帳面などの記録に残らない、ひとびとの記憶に残る、あたたかい商いなのである。

そういうお店を生活圏に置いておきたい。

<5月に買った本>
夏目漱石草枕』『夢十夜
池澤夏樹『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』
久保田麻琴『世界の音を訪ねる=音の錬金術師の旅日記』
東城百合子『家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法』
斎藤美奈子『本の本 : 書評集1994-2007』
ソーヤー海『都会からはじまる新しい生き方のデザイン パーマカルチャー』
STUDIO VOICE vol.261 特集Salon 癒しと創造の新空間』
松岡正剛白川静 漢字の世界』
瀬戸賢一『日本語のレトリック』