3月1日

世間は、溢れる情報のコロナウイルス騒ぎ。「多くの人たちが見えない敵に恐れる今、準備さえできてれば、大チャンス到来期でもあるのです」と師匠の見地に触れながら、粛々とい自宅でこれみよがしの読書モードだなとワクワクしつつ、友人への贈り物を仕入れなければと街へ繰り出した。40分ほどいつもの週末とさほどかわらない下道を、自宅療養中の坂口恭平さんのネットライブ(https://twitcasting.tv/zhtsss/movie/596346767)を聴きながら、車で向かう。いつもと変わっているのは、マスクの人の数だろうか(マスク不足が叫ばれているのに、みんなマスクを持っているのが不思議に思えてならない)。

 

ここ数ヶ月の修行によって刻まれた傷がようやく癒えてきた。この2週間、質を担保しながら寝れるだけ寝て量を確保し、ひさしぶりに「なにもしない」を満喫しつつ、欲望に身を委ね欲しいものをかたっぱしから購入し、節制とはかけ離れた食べたいものを食べたいときに食べたいだけ食べてきた。そして今日の締めは、ロッテリア絶品チーズバーガー、ポテトLセット、メロンソーダ。3月最初の日曜日は、欲望を抑えずに過ごす。そして、それは今日まで。これからは、いっときの欲望をスルーしながら目標ヘ向けて猛進する。今日は欲日記となりそうだ。

 

街へ着くと駅近のショッピングタウンの駐車場に車を止めて、さっそくUniqlo Uでテーパーテッドパンツをアンクルパンツ並みに裾上げをする。黒のセットアップを購入し、丈の長さの違う同じテーパーテッドパンツを購入。(さて、私生活でセットアップを着る機会があるのか?強引に私服をセットアップにしようか。)

 

続いて、ぶらっと、丸善松岡正剛さんの新刊『心とトラウマ』をちら読み予定のつもりが、今読んでいるドミニク・チェン『未来をつくる言葉』とつながるところがあり、つい手に取ってしまった。すると、横にあった岡潔『春風夏雨』のタイトルに目が誘き寄せられた。「はしがき」を読んでいるうちに手に一冊増えていた。書店よりAmazonで購入することが増えた最近では、いくらAmazonのリコメンドが精巧になったとはいえ、わたしのメディア耐性により、見てみないふりをするようになっている。それは買うより前にすでに欲しいものがあって、欲しいもの以外には一切寄り道をしない姿勢でかいうものに出かけているからである。かたや、実店舗を歩いていると、別段欲しいとおもっていなかったもの(それは、知らないということなのだろうが、)に、目が止まる。Amazonの「この本を買った人は、こんな商品も買っています」というレコメンドより、ウィンドウショッピングの方が顕在化していない「わたし」に出会えるのはおもしろい。

 

そうだ、本日のメインの友人への手土産を、とロータリーの反対側にあるデパートの1階へ。最近のぼくは、地場のものを手土産にする。特に、地場特有のもので、丁寧に作られたものを選ぶ。2週間後に泊めてもらう東京の友人には、有機栽培の政所番茶と、七本槍純米吟醸を携える。(岡本本家の「長寿金亀 藍40」が気になったのでまた買いに行こう。最近は発泡酒のような日本酒が好きだ。松浦酒造の「活性純米吟醸生 鮮」が抜群。)

 

さて、家に帰ってきて、最後はネットショッピングで白湯を飲むためだけに、土楽さんの「青土瓶」を購入する。直下火で扱える土瓶。これで、毎朝と毎晩お湯を沸かし、飲めるほどまで冷ました白湯をゆっくり飲みながら、

 

さ、これで、しばらくは、そんなに「お金を使わなくても生きていく実験」を開始しようか。「自分に出来ることをしよう!とは、実は、なにかをやめることに他ならないのだ」師匠より。

 

こんなご時世、お茶を入れて、お気に入りの音楽を聴いて、ソファに座って、来たるべき未来に向けて本を読むに限る。そうそう、岡潔『春風夏雨』の「はしがき」には、源義家の歌が借りてあった。

 

吹く風を勿来の関と思えども、みちも狭に散る山桜花