10月7日
窓の開いた寝室のベッドで、Tシャツ、パンツ、タオルケットで寝ていると寒さで目が覚めた。何時かわからないがまだ暗かった。眠気まなこで隣の部屋の衣装ケースに畳まれたジャージの上下を着て、また眠りについた。もう夏はどこにもいない。仕事を終えればあたりはもう薄暗い。秋は夕暮れなのである。
家に着いたら、クロネコの宅配員と鉢合わせした。昨日Amazonで注文した本が届いた。知人が勧めてくれたStudio Voiceだった。最新号から遡って4冊を購入し、その目次をメラペラ読んだ。大判雑誌で、インタビュー形式で、年2回発行で、文字が小さくて、テーマはインタースコアされていて、話を聞く相手をしっかり選んでいて、間違いなく楽しい雑誌のようだ。
いいとかわるいとかじゃなく、いや、いいとかわるいとかだけど、思うに人生の早いうちで、凄い人や変なやつに出会っているかどうかってとても大事だなとおもった。それは、そういう人たちと実際に会うことによって、自分の変化の幅、限界の範囲が決まるからだ。文化的知識が恐ろしく高い人、いつ寝ているのかわからないくらいマルチタスクで動き回る人、膵臓癌を治した人、パスポートを複数持っている人。ぼくは運が良くそういうひとたちに若いうちから会ってきたから、変化の幅を広げることができた。倫理の壁がいつのまにか低くなっていた。
帰ってきて熱めのお湯に15分浸かり、夕食の豚汁を食べたあと、2時間ほど読んでいた松岡正剛『国家と私の行方』に、「世界はどう編集されてきたのか」「これから日本は日本をどう編集すればいいのか」「どのような価値観を持てばいいのか」「どのような世界編集が可能なのか」とあった。Studio Voice vol421の鈴木一誌さんのインタビューは「やってみなければわからないにどれだけ賭けられるかじゃないでしょうか」で締めくくられている。