9月26日

彼岸の週には咲いていなかった彼岸花がポツポツ咲きはじめた。朝起きたら、すこし寒くて、ああこれはもうじきストーブを引っ張り出さなきゃなと、扇風機の前で靴下を履きながら、夏と冬の間を感じる。人類が季節を察知するには、二つの軸が必要だった。古代エジプトでナイル川の氾濫を察知できたのは、川の氾濫のときにいつも同じ方向に立ち上がる星があったからだった。 仕事を終えて帰宅すると、床に寝転んで寝るまでテレビを見て過ごす親父の姿が目に焼きつく。惰性な駄政にはもう慣れた。なにが起ころうともう驚かぬ。粛々と無関心な大衆を作り出し、粛々とやりたい放題しようが。それを余所目に、種を撒こう。堪え忍んで。生き残ろう。歌を歌おう。歴史を学ぼう。物語を伝えよう。踊ろう。同じアホなら踊らにゃ損だ。