8月7日

暑さは先週より落ち着いたものの、まだまだ蒸し暑い。かすかに風が吹く夕暮れ、事務所前の田んぼの向こうにあるヒノキ林からヒグラシの鳴き声が聞こえてくる。秋の気配は夏にひっついている。

 

最近の関心ごとは、「月」と「祭り」と「身体感覚(あるいは健康)」である。師範代の勧めで、三木成夫『内臓とこころ』を読んでいる。読み始めてすぐに、とてもいいとおもったのは、岡潔と同じく、研究者なのに(ステレオタイプの研究者は数字や理論だけなイメージなので)「情緒」や「こころ」を平然と語るところ、ひとの体のことを超俯瞰的視野のなかの出来事として捉えていること。あとがき(あとがきから読んだ)を養老孟司さんが書かれていて、「生きものはそれ単独で生きているわけではない。かならず生きものに囲まれて生きているのである。その感覚がなくなったのは、水田や杉林を見慣れている現代人だからだろう。杉だって稲だってそれだけで生きているとつい思わされてしまうのである。」とある。

 

健康のことを気にするのなら、月と地球の自転、月と太陽の関係、季節の移ろいのことだって、気にしなくちゃほんとのことは見えてこない。本著によると、ひとの感覚は一日24.8時間であって、一日50分ずつずれている。あらゆる問題って、思っている以上に、天体の影響を受けているのだと、最近の月」と「祭り」と「身体感覚(あるいは健康)」をテーマに読んでいる読書で感じている。あらゆる問題って、そのものだけで成り立っているわけではないのだと、忘れすぎていたように感じる。