7月16日

8時間近く寝た。よい朝。午前中は断食。寝起きの白湯だけで午前中を過ごす。「プロは試作品をたくさんつくる。はじめて作る人ほど、最初から完成品を作ろうとする。」という文章をみた、誰だか忘れた。

 

いまの仕事がいいのは、スマホから離れられるから。スマホが手元にあると、時間ができたとき、ついついスマホをさわってしまう。そうならないと、暇が生まれたときスマホがないと、脳は思索をはじめる。または、芸術を見るときのように、そこにある何かを注意深く観察する。たとえば、蛇の模様や雲の形や風の音を。そういう一日の中の、いわば意味のない時間、意図のない時間、よく無駄な時間と呼ばれている時間にこそ、時間を量ではなく質で捉えたときに、質を生み出す魔法があるのではないかと思いながら、西の空から寄せてくる黒い雲を眺める。どうやら雨が降りそうだ。

 

プラネタリーブックス『月』を読む。「冷蔵庫というのは人間が作った最も悪いデザインだ。」とジャック・スミスが語った。「しかしシダを入れることによって悪いデザインの中に最も魂が冷えるべき状態が作られた。これが意外である、というわけですね。つまり、冷蔵庫そのもののデザインはひじょうに悪質であるけれども、その悪質なものをもってはじめて冷凍という世界が保証されている。あそこへ入れてしまえば時間は止まる。」と。