5月23日

まだ朝晩は冷えるから、寝付きがいい。12度まで気温が下がった朝は、雲ひとつなく、田の稲と波風のない水面は輝いている。

 

本を薦めても、「本に書いてあることが本当のことかどうかわからへんでしょ」といわれる。全くその通りだ!だから読まないのではない。だから読むのである。あるできごとの多様な見方を知るために。

 

わからないことがあれば、本を手に取るというのは、そもそも、本が何かを教えてくれるということを知っているからだ。松岡正剛さんは「読書は読書以前にある」と言ったことがよくわかる。本にはなんだって入れられる。本を読むヒトが本を読むのは、そういうことだとおもう。誰かに勧められたから読むのではなく、「本が問題を解決してくれた」体験があるから本を読むのだ。

 

令和元年、21世紀初頭、2019年。世界はまだ言葉が必要である。YouTubeによって、言葉がなくても伝えられる動画が身近になってもまだ言葉が必要である。文化人類学的には、コミュニケーションはバーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションにわかれるそうだ。言葉のコミュニケーションと非言語的コミュニケーションのことである。

 

Amazonのリコメンドアルゴリズムは優秀だ、購買履歴やビッグデータを掬っているから結構いい選書をする。けれど、ビッグデータにはまだ、ぼくの刻々と変わり揺らぐ感情や気分を反映することができないし、ある本を読んだときの感情はデジタルでは表現できない。

 

冷凍の菜の花なくなり夏来たる。