4月13日

5時40分起床。6時15分に家を出て、9時ちょうどに浜松に到着。数ヶ月ぶりに三ケ日の「加茂」へ訪れる。さて、この三ヶ日の鰻屋さん、超人気店のため、予約しなければ、鰻を食べれません。予約といっても、インターネットでも電話でもできないため、直接現地に行かなければ予約ができないんです。さらに、時間指定もできません。こちらの人数を伝えると、時間を言われるのでその時間にまたお店にもどって来なければいけません。はじめから、この店で食べることを決めてかからなければ、うなぎにありつけないのです。さてお味のほうはというよ、これがもう、たまりません。

 

交通機関が発達し、流通がスムーズになったとしても、輸送には時間がかかります。名産地の食材を直送するよりも、自らが足を運び取れたての新鮮な食材に軍配があがるのは明らかです。

 

「タイヤメーカーのミシュランがレストランガイドを出したのは、遠い地にある名店まで車で出かけ、タイヤを思う存分消費してもらうことから生まれたことからもわかるように、鮮度の高い食材にまさる一皿は滅多にありません。ここに、安易なオンラインによる「お取り寄せ」の対極に位置するものがあります。」と師匠がいうてます。

 

帰宅して、『空海の夢』の講演を聞いていると、日本には言葉を大切に扱うひとたちがいて、空海が現れる以前には 雑密と呼ばれていた。彼らは、山伏や修験者と呼ばれていて、言葉に精通していた。言葉の力を確信していたようだ。山と言葉には関係があるに違いない。

 

僕が山で働いているのは偶然か?世の中のひとが山に向かっているのは偶然か?登山やハイキングが流行っているのは偶然か?山仕事をはじめてから、言葉に深く入り込もうと思ったのは偶然か。空海が大学を中退して、四国の山で篭り言葉の世界を強烈に意識したのと、今の自分がすこし一致するのは偶然か。出遊し、表面的なステレオタイプに対する、言霊のカウンターパンチを見舞わせたい。