3月30日

すこしずつ発酵具合を確かめるように読んでいる、寺尾紗穂『彗星の孤独』はやはりいい本だ。読めば読むほど、味わい深くなっていく。なにより読書感がいい。気になっていることに対する見方が相似しているのだろう、陶器市に行って、たくさんある焼き物の中で同じものに、目が合うような感覚だろうか。その焼き物は(あんまりよく知らないから見たことがあるものから選ぶなら)、川喜田半泥子の「暗香」かな。別名、楽しい孤独って感じ。

 

本書のどこかに、「本と歌で生活できるようになるまで3年かかった」とあった。働きながら、仕事とは全く別の何かを目標を立て採算度外視でやることが楽しく生きるコツのひとつではないかとおもっている。たとえば、寝る時間8時間、仕事8時間、残り8時間をどう過ごすかが、現代の勝負所であり、瀬戸だろう。

 

今日は土曜日午前中の出勤。朝早く起きてパリッと半日働いて、昼からゆっくり過ごすのは気持ちいい。外では来週の選挙のため候補者が騒がしい。信号待ちの交差点では、投票用紙に名前を書いてくださいとばかりに、自分の名前を大きく叫ぶ。政策はどこにいったのだ。有権者よ、パンとサーカスに夢中になっては駄目だ。