3月4日

朝起きたら雨。仕事中止のLINE。二度寝して9時に目覚める。15分だけ残っていた『帝都物語』を見る。最後に玉三郎演じる泉鏡花のシーン。突然風が吹く。風は目には見えない。風は桜を散らす。風は風車を回す。風はものを飛ばす。風はなにかを連れてくる。その描写がとてもとてもよかった。風は鬼を連れてきた。

 

本日は勉強の日。どこかに出かけようとも思ったが、溜まりに溜まっている積ん読から、今年取り組もうと思っていることに関するものを読む。テーマはお金、ビジネス、資本主義、経済について。勝間和代『お金は銀行に預けるな』を一気呵成に読み終え、松岡正剛『感ビジネス』へ。

 

昨日の夜の師範代からのメッセージは、スーザン・ソンタグ『良心の領界』からの抜粋だった。誰になんと言われようが、読書は大切だとおもう。ソンタグの「本をたくさん読んでください。本には何か大きなもの、歓喜を呼び起こすもの、あるいは自分を深めてくれるものが詰まっています。」にうなずく。

 

ぼくはどうやら、岡潔のような情緒を語る数学者が、三浦梅園のような半をくっつけるひとが、ものが、できごとが、音楽が好きなんだな。これは校長の影響でしかないけれど。いまきになるもの、ソンタグのキャンプ、異質、マージナル、フラジャイル。

 

夜、『感ビジネス』を読みながら、大好きなSFの続編『ブレードランナー2049』を見る。『感ビジネス』冒頭アップルとマイクロソフトを引き合いに出して、互いのビジネスの「らしさ」に注意のカーソルを当て比較していく。今後の展開はどうなるのか、アップルのジョブズのほうの「らしさ」にクローズアップしていくのではないだろうかと推測しながら読む。少し立ち止まったら、『ブレードランナー2049』へ。映画中ずっと雨が降っていた。