2月25日

すかっと晴れた空はうっすらと霞んでいて、どうやらそれは花粉のようだ。同僚は一日中くしゃみが止まらないし、鼻はズーズー。春っぽいとおもったのは、汗がじわーっと溢れ出てきたからだった。

 

ひとの体は季節に合わせて変化する。この時期、冬の間にエネルギーをため込んだ木々が芽を出しはじめるように、ひとは冬の間にためこんだエネルギーや化学物質を汗と一緒に体外へ放出する。いわゆるデトックスだ。ひとのデトックスは、、排便と排尿、爪と髪からしかほとんどできないそうだ。春はデトックスシーズンなわけで、この時期だからこそ効果的なことってやっぱりある。ひとも季節に合わせて、生活するという当たり前のことを、思い出さなきゃと、暖かな春の陽に思う。

 

本が世に出て着て以来、街は本のようになったと見なされている。それがここ数年、街がインターネット化しているという。「そのメディアの形をした情報に囚われていく」と昨日のマクルーハンの言葉が喉にささった小魚の骨のように思い出す。

 

世界はわけることによってわかるようになる。わけるときに使う言葉、いやわけたときに当てはめた言葉が世界を作っているのだろう。本の書き出しや歌の歌い始めが大事なのは、その最初の言葉によって、世界が分けられるから。いまやっている稽古は、編集されたものを分解する作業。

 

帰宅したら、『角川必携国語辞典』が届いていた。これでとりあえずのわたしの辞書は出揃った。(あとは白川静『字統』かな)。言葉の意味を調べる『角川必携国語辞典』、言葉のシソーラスを調べる『角川国語類語新辞典』、漢字のアーキタイプを調べる白川静『常用字解』、日本の文化のアーキタイプを調べる松岡正剛『花鳥風月の科学』、気になる人物を調べる松岡正剛『遊学I』『遊学II』、日本の風習を陰陽五行から調べる吉野裕子『陰陽五行と日本の民俗』、企画の方法を調べるブルーノ・ムナーリ『モノからモノが生まれる』、昔話を調べる柳田國男『日本の伝説』『日本の昔話』、気持ちをあげるためのスーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている』

 

寝る前に、荒俣宏『帝都物語』を少し見て寝る。「機能と便利だけでは完全な都市とは言えん。なぜならば、人間と同じように都市にも徳というものがいる。」くぅぅー。