2月22日

少しはやめに起きて、ゆっくりとした時間のある朝に、味噌汁を温めながらぼんやり考えた。

 

ひとは擬く。面影を心に思い浮かべ、手本とし、真似る。あるひとに憧れ、そのひとに近づきたくて。あるひとが担ってきたことが突然なくなった。そのひとが担っていたことの代わりが必要なとき、前任者のなりふりを見よう見まねで担うだろう。つまみ食い的な、部分的な、バラバラなものであろうが、だいたいはそのようにする。お茶のちゃっぱの量や、洗濯物を干す場所、ご飯の炊き方。その面影は完璧なコピーではない。「らしさ」や超部分や特徴的なものが、掬われだれかの手にいつのまにか渡っている。

 

ぼくはこのひととだと決めたひとのアドバイスに純粋無垢だ。あの本を読んだ方がいいといわれれば、「はい」。いま行くべき場所はここだと言われれば、「はい」。そうやって信頼の置ける人があなたにはいますか。先達って大切ですね。