12月30日
道具を使うときには、いいものを使えとよく言われる。それはいい道具の「いい」がどんな感じなのかを体に覚えさせるためだとおもっている。そうでないと、悪い調子の「悪い」がわからないからだ。切れない包丁と切れる包丁のスパッや車のエンジンの頑張り、煮込んだ大根のほろほろぐあい。悪い調子にきづいたら、いい調子まで持っていく。道具を使うときその目盛りは身体感覚に委ねられている。切れ味のよい包丁の切れ味は定量化できていない。切れ味をを決めるのは、個々人の尺度による。そんなときに頼るのはいい切れ味を知っている身体であって身体感覚なのだ。身体感覚が目盛りを作っているのだ。
そんなことを思ったとき、注意は自身の身体のほうへ。身体のいい調子を知っていれば、悪い調子に気が付ける。悪い調子のときには、日々の生活を見つめなおす。浮き沈みの激しい一年だった。