12月11日

冬の夜が読書にもってこいなのはいまさら議論する必要もないだろう。夜が長いからなのか、外が寒いからなのか、動きたくないからなのか、布団にくるまって読むのが気持ちいいからなのか、冬にOSが動き出すからなのか、わからないが、たまっていた千夜千冊を読み、 坂口安吾『桜の森の満開の下』、寺田寅彦『ちくま全集』を購入する。

 

ゲームの世界ではあるアイテムを与えるとそのアイテムの効用が反映して想定内の範囲で成長するというアルゴリズムが組まれていると仮定する。アルゴリズムは動かないから、挙動はアルゴリズム以上には作用しない。

 

それを現実に置き換えてみる。ある本を読むとする、その本には絶望が書かれている。その本の内容を、読み手がそのまま引き受けるかはわからない。そこにアルゴリズムはあるのだろうが、解釈は読者の自由で、多様なのだ。だから、どんな本をどんなふうに読んでもいいわけだ。だから、ぼくは読書が好きなのだ。

 

「感情」に名前を付けたものの(「感情」を「季節」や「時間」にしてもいい。)、その感情は名前以上に多様であった。うれしさと悲しさがまざった感情を何というか、絶望から優しさは生まれないのか。泣き笑いというがそこに悲しさもすこし混じっているのですが。そのあたり、感情の遊び(隙間)に潜り込むべきなのだろうとおもい、12月の選書テーマは、絶望を食う。

 

雨降りの夜、雪にはまだはやい。きょうは早く寝よう。