11月28日

朝7時前に家を出る。空が明るくなりはじめたものの、鈴鹿の山にまだ太陽が隠れている。数日前は顔に光を浴びていたのに。日の出の時間を山ではかる身体感覚は間違いなく、生活や考え方を形作っている。そういうことを、とても大切にしたい。山が単独峰か、山脈か、平野から突然突き上がるのか、野と一体なのか、それによって文化や生活は大きく変わる。

 

ひと月前に読んだブルーノ・ムナーリを少し読み返すと、全然違った読書体験になった。読んですっと入ってこなかった言葉の味がよくわかるようになった。そうしてはじめて、ムナーリのすごさに気づいた。無意識だったことを、意識するようになるだけで、少しずつ世界の見方が変わるようだ。その無意識から意識するへの気付きには、師が必要なのである。南を指す師が。これだから、読書はやめられない。再読は必須ですね。