9月24日

秋分の日。朝からいい天気。真東から太陽が昇り、真西へと落ちる。

ときに、会ったことのないひとの文章を読んだとき、ふいにその情景が目に映ることがある。思い出が現れることがある。こうして文章を書くという行為は、見たこと、聞いたこと、感じたことを文章にする。多次元を二次元へと変換する。本を読む。多次元を閉じこめた文章から、読むという解読を行うと、匂いや情景が溢れ出てくる。本は思い出復元装置。朝晩のキリッと冷えたこの頃に、ジョニ・ミッチェルやニーナ・シモーネの声が沁みるのも、そうなのかもしれない

夜、松岡正剛『ちょっと本気な千夜千冊 虎の巻』を読む。これ、本を読むひとみんな読んだ方がいい!ある本がわからないのは、そのまえに標識や地図となる本を読んでいないからではないかと、うすうす感じていたなか、正剛さんもそういっていた。

「本を読んでいると、本の中には次の本を楽しくさせるような地図みたいな本がある。そんな本を見つけられたら、読書いっそう楽しくなる。」

地図を手に入れ、見当ができれば、本をさらに楽しく読める。そのための案内人、本を薦める人と場所が大事なんだろうな。これって、ほかのことでもいえる。楽しいことを見つけるのに、楽しさを教えてくれたひとや本が存在する。もしなにかこれからやろうとしていることがあるのなら、面白くないって投げ出す前に、楽しさを教えてくれるひとを見つけるのが最善策なのだろう。