9月5日

台風の被害を確認しながら出勤する。今日の仕事は、会社のある地域の神社の片付け、帰宅後には地元の神社を片付ける。自然に対しては、心づもりをしておかないと、人の心のほうが先に折れる。台風や地震が頻繁に起こり、夏は高温多湿で40度を超え、冬は大雪に見舞われ氷点下となる。何かが起こる前には、なにが起こっても不思議ではないと高をくくりながらなにが起こってもいいように準備する。最中には、何事もないように祈り、事後には、事実を受け止め、把握し、認識し、分析し、行動する。自然災害というきっかけによって、日常の準備の大切さを改める。こんなとき以上に日常の仕事の知恵が発揮される場はない。松岡正剛『千夜千冊番外録 311を読む』を思い出す。「災害や被害はわれわれの使う言葉に選択を迫るのだ。もっと本気でいうのなら、災害とはわれわれがふだん何気なく使っている概念の総点検に立ち会わされるということなのである。」と。

夜、ブルーノ・ムナーリ『ファンタジア』を読む。よくわからないものだと思われているほうが都合のいいことを、解説しようとムナーリは試みる。ぼくたちはデザインや想像力なんて言葉を使っているけれど、実際のところ、それがなんなのかをわかっていない。そんな都合のいい言葉ってたくさんある。おもてなしとか。センスとか。そんな言葉を再定義することで、想像力は正体を現わす。