8月23日

台風の影響で風が強い。昼からは風が強まってきたから、家でおとなしくする。親父が鰻屋のおいしさと接客のよさは別だと言った。ぼくはそうはおもわない。うなぎの味や接客の良さ、店の綺麗さ、インテリア、すべて合わせて店であり、もっというならその地域まで目線を広げたいとさえおもう。お店から接客を取るように、観光地から文化や自然をはぶいて建築などのわかりやすいハードだけをみるように、いろいろが分けられ過ぎている。分けているのはヒトのソフトの方なのだが。

夜、コーヒーを飲みながら、松岡正剛『デザイン知』を読み切る。最近そうやなあと思っていることが連打で目の前に現れてくる。

デザインの基本は守破離でその教育には守が必要だということ、独自路線を歩んできたけど師がそろそろ必要だということ、デザインは言葉がいらないと思いがちだがデザインこそ言葉にしなければいけないこと(言語化)、そのために道元や白川静の漢字の世界に入るべきこと、世界を擬くこと(民族や地域や家族の記憶を蘇らせる)、才能はその人間に内蔵されているとはかぎらないこと(材料や素材と深く出会うことによって才能は磨かれる)。

さて、最近amazon以上に重宝している「日本の古本屋」というサイトで、『デザイン知』の中から、ブルーノ・ムナーリ『ものからものが生まれる』、内田繁『インテリアと日本人』、鈴木一誌『ページと力』を購入した。いいレビューが選書に必要なことが明白なのは、てはじめにどの本を手に取るかが重要で、それによって興味あることの第一印象が形作られるから。出会い方は何に対しても重要課題である。