8月11日

風について考えている。もののけ姫ではアシタカの髪がなびく、風が吹くことを知らせる舌のない鈴のサナギ、無数にある風、雅楽は風の音をあらわし、吹き荒ぶのは南風、比良から吹き下すのは比良おろし。風は目には見えない。見えないから、それがわかるように、風と人との間に、風を感じるためのものを置いた。木が揺らしているのは風、古い家の戸のガタガタの音は風。そこにあるけれど、目には見えないこととの付き合いについて。情報や空気や風との付き合いについて考えている。夕方ピューッと風は吹いた。