6月10日

インターネットとグロバリゼーションによって生まれたファストファッションによって、洋服が店やタンスに溢れるようになった。洋服はかつて特別なものだった。特別なものが、当たり前のものになると、盲目になってしまう。だから、それは大切なものなのだと、思い出すように、催しや儀礼をひとは用意したのではないか。そのあたり、藤原氏はものすごい。一千年以上も前のことがいまもこうして、神社として残っている。そう、水あるところ神社ありなのだ。月に数回、山の中腹か、麓の神社へ水を汲みに行く。この国はすぐそこにおいしい水がある。ファストファッション同様、ファストフードが溢れる世の中では、食事が特別なものであると認識されない。好きなときに好きなものを好きなだけ食べることに疑問を抱く。

われわれは表現者である。いま、一億総クリエーター時代だ。ほとんどのひとのポケットにカメラが入っていて、出版物や本がひとりで作れる時代だ。いままで作ることが大事だった。作ってしまえば、伝える仕事をする人に、はいって渡すだけだった。これからは、作ることと同じくらい伝えることが大事だ。作ったひとが伝えるのが、一番信頼があるから。だがしかし、作ることと、伝えることは違う。だから、伝えることを学ばなくてはいけない。伝えることを学んでいるが、そのなかでもっとも大切だとおもったのは、「口頭で相手に説明できること」だ。