6月9日

ものの半径。ものには半径がある。それらの半径が重なったとき、溶け合い、混ざり合う。いくら行政単位で人口の管理のしやすさから地域を再編したとしても、かつては、山の尾根のあちらとこちら、川のあちらとこちらで、効率ではなく自然によって分けられていたことの匂いは残っている。海と山は対比して考えられるけれど、その半径は重なっている。「日本は山国です。海に囲まれた山国、それが日本の姿です。このことは日本に渡来した海人族が、そのまま海浜に住むのではなくむしろその多くが山間部に入っていって、のちに縄文文化とよばれた社会を形成していることにもあらわれている。」