3月15日

仕事中はよく汗をかいた。植物は季節に敏感でこのときを逃すまいとためていた花粉を一斉に飛ばす。もうすこし蕾にエネルギーを貯めたら一気に花咲く準備を整えている。動物もぞろぞろ動き出した。朝には猿の群れが田んぼの畔でたむろし、山と田の間にある山道の脇には猪が鼻で土を掘ったあとがずっと続いている。ちいさな羽虫が飛びはめ、山の木々の間には蜘蛛が糸を撒き散らす。季節は巡る。ひとはどうなのか。ひともおなじで、冬季に溜め込んだものを外に出す時期のようだ。それをデトックスと呼んでいる。汗を書きながら体内の毒素を体外へ放出する。その体の作用に沿って、なんだか、考え方もうちからそとへ向かっているようにおもう。ずいぶん溜め込んだテキストをデトックスするように書き出す(けっこうサボり気味でしたね)。部屋にこもって本を読むのが、外へ出て行く時期のようです。