2月28日

春の夜の匂いが好きだ。今日はそんな夜。強い風が吹いているが、この匂いがたまらない。

 

いろいろの支度をせぬまま、部屋のソファで眠りこける。目が覚めたら、深夜1時過ぎ。時間に迷う。ふと眠り落ちて、はっと起きたとき、夜なのか昼なのか、その境界が曖昧になる。今日の昼間、仕事終えて事務所に向かっていると、景色が花粉で霞んで、いつもなら山ではっきりしている境界が消えていた。夜、起きて窓を開けて、外の空気を思いっきり吸い込んだら、まだ冬と春が混ざっていた。

 

外と内、春と冬、昼と夜、原因と結果、あちらとこちら。なにが境を分けているのか。言葉なのか、感覚なのか、風土や文化なのか。境が溶けている。それなのに、無理やり分けようとしている。春の嵐が吹いているなか、胡蝶の夢でもいいのではないかとおもう。松岡正剛『擬』を読んで、ぼくの現実と正剛さんの頭の中を高速で行き来する。「ある現象の間は、原因と結果でしっかり結びついて、将来に何が起こるかは過去によって決まっている。と考えてこられた。」という大嘘とどうつきあっていこうか。