2月15日

松岡正剛『知の編集術』を読む。本のことを書くときに、本の紹介をするのはおもしろくなくて、自分の体験とその本を読んで考えたことを結びつけるほうが、間違いなくおもしろい。正剛さんの本は、あることの説明を自分お体験を通して語っているからおもしろいということに気づいた。そうのように、ある本を読んで感じたことや考えたことを自分の体験と繋げられたとき、その本はじぶんのものになる。それは、読書に限ったことではない。音楽、旅行先やなんでもそうだ。「わたしの」をすべての名詞の頭に引っ付けたとき、その出来事は自分の手の中にある。その体験や考えを話すこと、誰が正しいというのではなく、あるできごとに対してぼくはこう考えるという会話をぼくは好きなのだろう。そして、その会話の連想が奇想天外なものであるとき、ぼくはあいつやりおる!とこころでスタンディング・オベーションを送る。

 

夜に、インターネットラジオから、Cat PowerのAmazing Graceが流れる。寒さと暖かさの入り混じったこの季節に、Cat Powerのしゃがれた声はなによりやさしい。