2月12日

夜に、気づいたら少し寝ていた。起きたら、窓の外で一瞬風が音を立てて吹いていた。寒いけれど、季節の変わり目のような気がする。いつのまにか朝の光は春っぽくなっている。コーヒーをきらしているから、ホットチャイを淹れて、坂口恭平『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』を読む。

 

日常が同じリズムで流れているとおもっているのは、勘違いなのか。文明の利器のおかげで、暇や退屈を手に入れたわれわれは正しい選択をしているのか。暇や退屈に気付かなかったほうが幸せだったのではないか。5分あれあばできること(空をみながらぼーっとしたり、深呼吸をしたり)が、できないくらいわれわれは本当に忙しいのだろうか。余白が想像力を掻き立てるのは、芸術だけでなく、生活の時間もそうなのだとおもう。夜になにもせずぼーっと風の音を聞く。大きく息を吐き、大きく息を吸い、その音に耳を傾けて、春がやってきた。