12月31日

朝に火を焚きつける。枯葉に火をつけ集めた小さな枝に火を移す。そこから、徐々に枝を太くしていき、日が安定してきたら、幹をくべる。すると、「いいとこいってるから、もっと大胆に」と、親戚のおじさんが松の幹をどさっと放り込む。そうだな、もっと大胆にだな。今年は大胆さに欠けていたから、来年は大胆にやろうとおもった。いいとこいっているのだから。

 

それから、参道の掃除をする。掃除をしながら、神社にあるものをよくみる。杉はまっすぐの直ぐだし、檜は火の木、榊はかみのき、御幣、シデ、ウラジロ、鏡餅にみかん、しめ縄、三方にコメ、酒、塩、水、鈴は風を知らせる、水と龍、風と火、てるむくり、柏手の響き、赤と白。

 

気づけば夕方、あたりは薄暗い。風向きが変わる。今夜は夜通し火の守。眠くなってくる。鎮守の森は静寂と暗闇。あるのは薄明かり。頭がぼやけているのだろうか、夢の中にいるようだ。そういえば、能は眠くて、うとうとすることさえ計算にいれているという。だから腹式夢幻能か。神事もそうだろうな、と大晦日におもう。