12月29日

朝、お供え物を持ってきた年配のかた。それは風呂敷に包まれていた。なにかある。年末年始の神社の手伝いをする。水引の向きや結び方、榊、しめ縄、白い衣装。なにかある。手伝いに来てくれたおばちゃんが、手が冷たいをちーたいといった。方言にもなにかある。

 

最近、知った言葉に、有職故実がある。Wikipediaより、「有識」とは過去の先例に関する知識を指し、「故実」とは公私の行動の是非に関する説得力のある根拠・規範の類を指す。そうした知識に通じた者を有識者(ゆうそくしゃ)と呼んだ。後に転じて「有職」と呼ぶようになった。

 

『日本問答』を読み返す。「ぼくは日本の和歌や物語は文芸というより、日本文化の大切なものを保持しておく情報編集装置だったと思っているし、文様や模様や色どりはそれを明示するために必要不可欠な表象だったと思っているんです。」と松岡正剛さん。「意識しないでそれまで過ぎてきた日本と、もう一度出会い直すこと」と田中優子さんがいった。年末年始は神社で過ごす。なんとタイミングのよいことなのか。