12月13日

初雪です。寒い。

 

Radioheadのfrom the basementを聞く。トム・ヨークの声って、ピアノに合う。Videotapeがいい。最近ableton liveを使っているせいか、耳が低音に反応する。低音はリズムで、ノリで、シンコペーションで、ズレで、音の強弱で、四分音符を24分割したときのテンポの違いが地域性で、ベースやドラムだろうけど、それっていろいろなものに言い換えられる。見立てられる。例えば、建築なら土台だろうし、樹木や野菜なら土壌なのだろうし、健康法なら足の裏だったりして。

 

松岡正剛さんと田中優子さんの対談集『日本問答』を読む。「しにせ」=「老舗」=「仕似せ」。「いまは中国由来の老舗をあてていますが、あれはもともと仕似せるという動詞が語源なんです。だから、単に同じものを守っているわけではなく、ただ継いでいるわけでもなくて、前のものに似せながら新しくしているわけです。そこから、血はつながっていなくてもいいという考え方が成り立つ。よりよく似せられる人が出れば、その人に継いでもらうということもできるわけです。」いい言葉だ。

 

日本語は当て字をしながら、いろんなものを見立てる。「言霊のように音が力をもつと考えるのが日本です。」そもそも万葉仮名は日本の発音に漢字をあてはめたものだから、安、亜、阿も「あ」であって、漢字の意味は汲み取っていない。仕似せたり、見立てたりして、世を継いでいくことが、ひとつの日本的編集のだとおもう。そういうふうに見ていくと、古事記も歴史もおもしろい。