11月7日

いつでも好きなときに、好きなものを食べられる。いつでも好きなときに、好きな本を読める。そんな時代には、難しいけれど、だからこそ、限定することが大事だとおもう。だれも限定してくれないから、自分で限定する範囲を決めて、自分で守り、その先にあるなにかを求めなくちゃならない。たとえば、日本の歌は、575(77)のリズムを刻む。ということは、575(77)で想いを伝えなければいけない。が、575(77)ですべてを伝えなければいけなかったかというと、そうではない。575(77)で、ある全体のある部分を切り取って表現していた。全体の中から部分を切り取ることで、余白を生み、あとは受け手の想像力に任せていた。「秋きぬとめにはさやかにみえねども風のをとにぞおどろかれぬる」

 

限定というと、ネガティブなイメージがついて回る。まあぼくもそうおもっていたんだけど、ちゃんと使えばものすごい力になるということを最近、学んだ。だから、いまなにか新しいおもしろいことが生まれるとしたら、この限定の方法(文字数なのか、57577なのか、枯山水的なのか)、センスによるのだとおもっている。