10月26日

ひさしぶりに友人と夕食をとる。22時頃家に向かって車を走らせる。目の前の空には雲がない。星がきれい。

 

石川直樹『すべての装備を知恵に置き換えること』を思い出す。「ミクロネシアの離島に住む航海者たちは、カヌーの揺れ具合や船体にあたる水の音によって、方角や自分がいる位置を把握する能力をもっている。熟練した航海者はカヌーの上で横になっていても、海上のうねりの種類を見分け、船が向かっている方向を常に意識し続けることができる。今カヌーにあたっている波が、自然発生によってできたものなのか、ある海流によるものなのか、もしくは近くの島にぶつかってはねかえってきたものなのか、身体で感じ分けるのだ。航海者たちは常に『今いる場所と向かっている方角』について、冷静な視点と先を見据えるビジョンをもっている。」

 

大事なことはなにか、について、友人と確認しあう。未来は来なければわからないが、いまいる場所と向かう先は、現在にある。