10月19日

よく雨が降る。漠然と本をたくさん読む。あれこれ手を出して、おもしろかったら一気呵成に時間を忘れて読み、つまらなかったらそっと閉じる。そんな日々を積み重ねる。本を読むことは、いろんな種を蒔くようなものだ。播いた種にとって、温度や水気、栄養、酸素などの条件が整えば、時間を少しおけば芽を出す。ということは、やはり土が大事だ。この場合、土はひとなのかもしれない。本を読むには、読む本と読む時間と読む場所と読むメンタリティが必要だ。あらゆる雑事を済ませ、読書以外の私欲を抑えなければ、本は読めない。「書や言葉の力を見くびってはいけない」といまちょうど読んでいる本は言う。まさしくそうだ。