9月22日

音は耳だけで聴いている、のではないらしい。耳は皮膚の敏感な部分が内側に入り込んだという。耳ほど敏感でないにしろ皮膚でも音を聴いている。体全体に耳がある。

 

食事をするとき、皿の上の料理をみて、においをかぎ、箸で重さを感じ、口に入れて噛み、味わう。食べるときも、口以外の器官を使っている。


ほとんどのことは、ある機能だけを使っているのではなく、いろんな機能を複合的に使っている。だから、耳は音を聞く、鼻はにおいをかぐのは鼻、目はものをみるだけではない。鼻で記憶を呼び起こし、目で匂いを嗅ぎ取る。

 

雨の午後、ミホミュージアムに行く。レセプションから、展示場まで歩く。枝垂れ桜並木を越え、トンネルにはいる。トンネルはカーブしていて、先が見えない。しばらく歩くと、出口の丸の中に、入母屋造の建物が見える。

 

美術館に着くまでに信楽の森の中を車で走っているのも、ミホミュージアム展示のようだった。展示物だけが美術館ではない。ある機能は専門家ではない。あらゆることは全体的だ。

 

Angus Stone / Hold on (Alabama shakes cover)