4月4日

朝起きるとカーテンの隙間から日差しが差し込む。青空。今日は雪はない。「ぶらんこにうす青き風見ておりぬ風と呼ばねば見えぬ何かを」と俵万智の短歌に唸る。言葉を知ろうと言葉に分け入りはじめたら、言葉のイマジネーションに感嘆する。季節や情景や場面の一部分を切り取っただけなのに、全体を事細かく説明するよりも、相手の想像力を促しながら、それ以上のことを伝える。

 

山は穏やかだ。鹿がたくさんは知っている。風は微かで、鳥も泣きやまず、日差しはゆるい。老子は「小国にして寡民なるべし」と説く。先日まで通っていた学校のセカンドステップへの頼りが届く。こりゃ楽しみだ。

 

万葉集の「初春令月気淑風和」は『文選』の「仲春令月時和気清」からの翻文なので、「まるごとニッポン」というわけではない。王羲之の香りがする。 (大師匠より)