2月1日

2月です。雪の朝。水分を多く含んだ淡雪は昼の日差しですぐに消えた。ところどころの梅の蕾はぷくっと張りはじめてきて、春はもうそこにいる。夜梅の香りを嗅ぎにいかなくてはとおもうのは、春だからなのだろう。朝、路肩に落ちた軽トラを余所目に、道に敷き詰められた雪の上を、四輪駆動のローギアで横滑りしながら、山へ行くも、スネまで降り積もった雪に、こりゃだめだと引き返して、山の集落にある庭の木の伐採へ向かう。おじさんの庭は数寄者の庭で、アマチュアリズムの表情をしている。「おれはプロやないから、好きで山入って気に入ったものを庭に持って帰って育ってんのや」と自慢げに語る。そんな庭もあとを引き取るものがいない。自分の手ではもう手入れできないからいっそこのさい切ってくれという。侘びと寂びを感じる。夕日が差す。おじさんの庭は引き取れないけれど、滲んだ侘びや寂びを代わりに引き取る。

 

夕方に師匠の対話から今年の予定を組み立てる。「自分の身は、自分で守らなくてはいけない」と注意を受け、「計画はできるだけ綿密に立て、日々アップデートする」とアドバイスを受ける。あと数日で節があけ、春が来る。地球は回転しながら太陽の周りをぐるぐる回り、季節もぐるぐる回り、ぼくもぐるぐる回りながら日々を生きる。