11月18日

早朝、試合のため、近江湖西の道を車でゆく。京と近江を分けるように南北に横たわる比良山脈の麓の少し高いところを走るのが湖西道。

 

さっと、司馬遼太郎『湖西の道』を読む。「さらに北へ駆ると左手ににわかに比良山系が押しかぶさってきて、車が湖に押しやられそうなあやうさをおぼえる。大津を北に去ってわずか二〇キロというのに、すでに粉雪が舞い、気象の上では北国の圏内に入る」とある。

 

高台の道路から見下ろした琵琶湖は、200年前も変わらずこの景色であったのだろうと車窓の景色を見ながら思いに耽る。世界を分けているのは、言葉だ。琵琶湖の湖面が朝日を反射して、白く輝く現象をなんと呼べばいいのだろうか。