10月3日

夏はようやく過ぎていき、昼と夜で別の季節のようにはっきりと変わるこの頃。ようやく秋がきたようだ。そんな季節の変わり目にいち早く反応するのが体で、その反応に反応して気持ちがあれこれ左右する。春先から今頃にかけてのデトックス時期、いまはデトックス時期の最終盤で、体は冬支度を始め溜め込み始めようとする。体調がいいとはいえないのは気候のせいだろう。体調によって時間の感覚がまったく変わる。調子のいい時なんて、ゆったりした時間が流れる。それに体調が優れないと、考え方も邪悪になるのだから、一番は体調を整えること。春先の科学的な検査から、人体実験を繰り返して、最近はどうやら原因を見つけ出した。

心と体を分けたのは、だれだ。心と体はひとつなのに。誰がアイデンティティと言い出したのか。アイデンティティなんてプラスティックワードで、糞食らえだ。

昼休みに吉川といろいろ話す。ぼくたちは日本語を読み書きするのに、幼少に頃から、漢字ドリルをひたすらこなしてきた。そうしてやっと、漢字の初歩を習得した。が、かつてもそうやっていたけれど、教科書は漢字ドリルじゃなくて論語などで漢字を学びながら、作法や社会や道徳を学んでいたのだろう。

いまでは漢字をおぼえればいいとぞんざいになってはいないか、漢字さえ雑に扱っていないかと自分に問いかける。言葉へ深入りすると決めた以上、表意文字としての漢字の出自と使い方を学ばねばならないし、その起点は、平安時代に日本語の発音を、中国の漢字に当てて作られた文字である万葉仮名からはじめたい。