8月6日

ぶらっと短い時間でもすこし遠くに出かけた翌日は、疲れは残っているものの、心は整っている。白洲正子『近江山河抄』の「自然を活かしているのは言葉なのだ。或いは歴史といってもいい。(中略)自然は、ー少なくとも日本の自然は、私たちが考えている以上に人工的なものなのだ。」の余韻はまだ残っている。もっと国語を大切にし、もっと足を運んで、体験したことを伝えたー、デジタル保管するのが現代の作法だとおもう。

仕事中も昨日の出来事が一日中去来する。天竜川の小さな丘の上に建てられた秋野さんの美術館。肌ざわりのよい大理石の床と白い漆喰の壁のメインのギャラリーの真ん中に小さな膨らみがある。そこには、藤森さんと秋野さんが天竜川で拾ってきた石が埋めてある。正月の松飾りは山の一部をウチに飾ることで山のエネルギーを借りるように、近くを流れる天竜川のエネルギーを借りている。そういうのっていいよな。