7月27日

・食べ物と体を切り離されたように(お腹いっぱいになればなんだっていいや)、総合を包括する職能は、専門分化へと変わった。好きなものを好きなだけ食べるのが肯定される世の中になったようだが、その結果、ひとは健康を失った。分けられるその一歩前に潜り込めるか。

 

・日本のメインアイデアのひとつは「からっぽ」ということを知っていなければ、山がサナギだと言われたら、はあ?となる。

 

・写真には写真に写らないものが写るという。その写らないものは、メタ情報だ。メタ情報はHTMLのタグのようなもので、ウェブサイトの見た目の裏側には、見た目を指示するソースコードが走っている。ときに、ぼくたちが記憶をさかのぼるとき、メタを追いかけている。

 

・夜、練習前にブックオフに立ち寄る。著作があいうえお順にならぶ棚が、ぼくは好きじゃない。棚にこそ、本の並びが魅力的な書店が好きだ。ブックオフから本を購入することをレスキューと名付けようか。白洲正子『近江山河抄』、小泉文夫『日本の音』、夏目漱石『草枕』、内村鑑三『代表的日本人』、有元葉子『だれも教えなかった料理のコツ』、サン・テグジュペリ「星の王子さま』をレスキューした。

 

・気候変動について。この夏はかつてないほど暑いが、年間の平均で言うと温暖化というよりむしろ寒冷化しているという(IPCCのスーパーコンピューターの演算による)。ということは、冬が平年より寒い。そのうえ温暖化とCO2が無関係だと証明されはじめた。昨日正しかったことは、明日間違いになる素早い世界で、僕たちはどう生きるか。

 

・「情報をキャッチする能力も大切な時代なのは間違いありません。」「偏らないためにも国家も個人もあらゆるものを受け入れる多様性と柔軟性が必要になります。」